侵色

2003年9月6日
私はいつも夢を見ていた
 
現実という波から逃れるために
 
 
迫り狂うそれらは
 
酷く穢れて澱んでいた
 
私は自身をそれらで汚すことなく
 
本当の私自身を形成したかった
 
そうすることで
 
私という存在が
 
私にとって特別なものでありえると思えたから
 
 
だけど
 
 
私は結局逃げることはできなかった
 
一度穢れた私はもう夢を見ることなく
 
その中でいかに優位で楽して生きるかを探っていた
 
それに気づいたのは
 
私がその生活に慣れ
 
考えることを放棄し始めた時だった
 
 
ぼんやりと浮かぶ過去の私を見つめる度
 
どうしようもない冷たい痛みに襲われる
  
私は
 
もう一度元の色に戻りたいのだろうか

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